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木工作品その10

キッチンワゴン(タイルトップ)
画像は、完成したタイルトップキッチンワゴンです(実使用場所とは異なる所で撮った画像です)

20年以上使っている既製品のキッチンワゴンに、今流行りの「タイルを貼ってほしい」と、妻が言うので、リニューアルしようと思ったのですが、天板がかなりくたびれてきていたため、この際新たに作ることにしたものです(マウスオンで既設ワゴンをご覧いただけます)

ワゴンとは言え、ポットやトースターを乗せていて、ほとんど動かすことのない既設ワゴンの後継ですので、キャスターはあえて付けていませんが、脚部裏面に家具スベールだけ貼る予定です

継手は全て四方胴付きほぞにより組んでいます

W:630 D:435 H:630mm


                       平成20年4月12日製作
既設キッチンワゴン
ロールオーバー画像
(製作過程)

既設ワゴンとほぼ同じサイズで作ることにし、書いた図面の作成月日を見ると、なんと2年前になっていました。その間なにしてたの?なんて野暮なことは聞かないで・・・それが私流なんです

でも、取り掛かると結構早いかも?こうしてUPした記事だけ見ると・・・ですけどねっ!で、荒木取りの完了した状況です

脚部にはSPF2×4材を38mm角に、幕板および貫には同1×4材を幅55mmに、いつものように簡易テーブルソーで製材したものを用いています
荒木取り完了

次に、本来なら、ほぞ穴開けなんでしょうが、私は大半の場合、ほぞ加工から先に行います。画像は、ほぞ加工治具により、幕板および貫を加工している状況です
ほぞ加工治具によりほぞ加工中

で、画像のとおりほぞ加工が完了しました。ほぞ厚は、少し薄いのですが、訳あって約8mmにしました。理由は後ほどおわかりいただけます
ほぞ加工完了

ほぞ穴の墨付けは、加工済のほぞを用いて画像のようにやや小さめに墨付けします。私はこの方がやりやすいので、ほぞ加工を先にするのですが・・・やっぱり邪道でしょうか?
ほぞ穴墨付中

ほぞ穴は通常、のみで掘るのですが、今回は、穴の幅が約8mmなので、のみでは掘り難いということもあり、トリマーで掘ることにし、画像のような治具を急遽作製しました

これを用いてマウスオン画像のようにトリマーでほぞ穴を開けます

材を挟むように同じ厚みの材を左右に取り付けていますので、ほぞ穴は必ず材の中央に開くことになります
ほぞ穴治具を用いて穴開け中
ロールオーバー画像

画像は、開け終わったほぞ穴をアップした状況です

墨線に合わせて治具を固定し、トリマーを枠内で移動させるだけで簡単にほぞ穴を開けることができます

と、簡単そうに言ってますが、実際は、深さ20mmの穴を掘るのにビット出代を5回程調整しながら少しずつ掘っています

汎用性はありませんが、精度は結構高いかも?
ほぞ穴治具とほぞ穴の拡大図

で、全ての穴開けが完了しました。マウスオンで拡大します
穴開けの完了したほぞ穴の状況
ロールオーバー画像

ほぞ穴形状に合わせて、ほぞの角をやすりで落とすとともに、直交しているほぞ穴内で、ほぞ同士がぶつからないように、ほぞ先を画像のように加工しました

以前作った傘立ての際は、両方のほぞ先を留め切りしたのですが、この方が組み立てる際、ゴムハンマーで叩き易いと単純に思っただけのことです
ほぞの加工状況

仮組してみました。ここまでは、我ながら流れるような仕事ぶり?に大満足です・・・・が、本当は、まだ仮組する段階じゃないんです

そうなんです・・・棚板用の溝をまだ掘っていないんです

でも、継手の加工が済むと、一刻も早く組んでみたくなるんですよね?私だけ?
仮組完了

で、仮組を解体して、トリマーテーブルで棚板用の溝を掘っています。マウスオンで拡大します

棚板には9mm厚の合板を使うので、10mmのストレートビットで、深さ5mm掘っていますが、これも少しずつ掘ります
トリマーテーブルによる棚板用の溝掘り中
ロールオーバー画像

棚板用の溝掘りが完了した状況です。これは下部の棚板用ですが、上部の棚板(天板)用も位置こそ少し違うものの、ほぼ同様の状況です

ほぞの厚みを約8mmにした理由が、これでおわかりいただけましたよね?・・・・そうです。棚板用の溝が、ほぞにくい込まないないように、ほぞをぎりぎりの厚みにしたものです

もちろん、変形ほぞにすることにより、ほぞ厚を稼ぐこともできるのですが、ややこしくなるので単純な方法をとっています(難しいことはできませんので・・・)
棚板用の溝の状況

画像は、脚部への棚板用の溝を墨付けしている状況ですが、再度仮組し、現物合わせで墨付けしました

いつの間にか各部の面取りも終わっているのがおわかりいただけますでしょ?
脚部への棚板用溝の墨付状況

脚部への棚板用の溝は画像のように掘っています

これだけ多くの画像を撮ったのに棚板、天板のコーナー部分の加工画像がありませんっ!・・・・・すみません!ご想像下さい
脚部の棚板用溝の状況

棚板の接合状況です。(天板も全く同様の方法です)うまく収まり大満足です。趣味の木工は、自己満足の世界だと思っていますので、大満足の連発です(笑)
棚板の接合状況

サンディングも終了し、ボンド付けによる本組中の状況ですが、いつもどおり自作クランプで一旦締め上げた後、ベルトクランプと荷締めベルトにより圧締しています
ボンド付けによる本組中

翌日クランプ類を外して本組の完成です

下部の棚板には9mm厚のシナ合板を用いていますが、天板にはタイルを貼るので9mm厚のラワン合板を用いています
本組完了

天板用に購入した平タイル27枚です。仕上がり寸法100mmの平タイルが9枚1組になっているものを3組購入しました

タイル裏面には、右のようにテープが貼られていますので、このまま貼れば、目地は自動的に決まることになります

(参考)
当初、目地は汚れるので目地なしで貼ろうかな?とも考えたのですが、調べてみると、目地がないとどうも割れ易いようだし、防水のしようがないため、このままの状態で使用することにしました
購入した平タイル

天板には、当初タイルを敷き詰めたいと思っていました。でも、天板のサイズは、タイル寸法に合わせて作ったわけではなく、既設ワゴンの寸法ありきで作ったため、タイルを並べられるだけ並べた周囲には、当然画像のように余白ができてしまいます
天板にタイルを仮配置した状況

でも、小さく切断したタイルを周囲に敷けばいいだろうと、タイルを切断することにしました

タイルカッターで表面に「チィ〜〜ッ」と傷を付け、裏面を板の角に当て、上から両手で押してやると「パキッ」と、画像のように簡単に切断することができます

マウスオン画像は、切断に用いたタイルカッターです
タイル&カッター
ロールオーバー画像

とりあえず5枚のタイルを切断し、作った10枚の小片タイルを長辺部分にだけ敷いてみました・・・・が、どうもしっくりきません

結局、タイル枠をシナ合板で作り、タイル周囲を埋めることにしましたので、必要なタイルは、27枚購入したうちの15枚だけっ!

余ったタイルと無駄にした5枚のタイルがもったいない〜っ!
んっ?労力もだろ?ですって?それはいいんです。時間だけはたっぷりありますから(笑)
周辺に切断したタイルを仮置きした状況

で、シナ合板(9mm厚)を買って来ました。来ましたとも・・・と、くどく言ってるのには理由があります。これも後ほどわかります(こればっかり)

画像は、天板サイズ、形状に合わせてカットした後、切り抜く部分のコーナーに穴を開けた状況です
タイル枠の製作1

コーナーに開けた穴からスタートし、ジグソーで墨線の少し内側をカットしています
タイル枠の製作2

墨線に合わせてトリマーでカットし、枠の完成です。でも、このままですと、タイルの厚みは5mmなのでタイル表面が、枠より4mmも沈んでしまうことになります

だったら切り抜かずに、なんで5mm掘り込まないの?と、思われますよね?でも、均一に5mm掘り下げるような腕や根気は、悲しいかな持ち合わせていません
タイル枠完成

そこで、4mm厚のベニヤの登場です。画像のように枠の中にこのベニヤをタイル下地として落とし込みます。これで均一に5mm掘り下げたのと同じ状態になりますよね?あったまいい〜?腕わる〜かな?
タイル枠に下地用ベニヤを収めた状況

出来上がった枠内にタイルを仮置きしてみました。タイル表面と枠の表面は見事に面一です(さっすが〜〜)

とは言うものの、本当は接着ボンドの厚み分、ほんのわずかですがタイルの方が高くなるので、当初5.5mm厚のシナ合板で枠を作る予定でした

でも、5.5mm厚の合板で反っていないのを探すのは至難の業なんですよね?だから合板を選っている時にこんな方法を思いついたってわけっ!買って来ましたと、くどく言った理由です(笑)
枠内にタイルを仮配置した状況

天板にタイル枠および下地ベニヤを100均クランプ総動員で接着中の状況です
タイル枠および下地ベニヤの接着状況

タイル枠および下地ベニヤの接着が完了しました
枠および下地ベニヤの接着完了

タイルを仮置きしてみました。補足することは全くありませんっ
でも、ついでですから一言だけ「大満足」(また言ってるっ!)
天板にタイルを仮置きした状況

本組が完了してから5日目、苦手な塗装がようやく完了しました

オイルステインのけやきを2度塗りした後、クリアニスを塗り、仕上げにつや消しニスを1回だけ塗っています
塗装完了

塗装が乾くのを待ちきれずに塗装した日に即、タイルを接着ボンドにより貼り付けました
タイル接着完了

翌日、目地埋めを行いました。画像は目地材を塗った状況です

本当は、目地部分にだけ塗ればいいのですが、面倒なのでマスキングテープで養生した枠内全面に目地材を豪快に塗り付けてやりました

どうせ余った目地材は捨てるしかないし、この方が簡単ですよね?
目地埋め作業中

余分な目地材をしぼった雑巾で拭き取ります
目地埋め作業中2

マスキングテープを剥がして目地埋め完了です

心配していたタイル表面と枠表面の段差も、定規を当てないとわからない程度の極わずかな段差で収まりました

今回もコメントは一言「大満足」(笑)
目地埋め完了

完成しました。今回はコメントはやめておきます(笑)

画像クリックで少し大き目の画像が別窓で開きます

自己満足極まりない世界を最後までご覧いただき、まことにありがとうございました(笑)
キッチンワゴン完成画像(クリックで拡大します)
画像クリックで拡大します
(参考)

タイル貼りに用いた接着ボンド(左)と、目地材(右)です

目地材には、「カビに強い防汚目地材」との謳い文句が見えますが、以前浴室タイルの補修にも同じものを使ったことがあります

しばらくの間は、本当に汚れませんが、経年によりやっぱり汚れてきます。でも目地埋めは簡単なので、その際はやり変えてもいいかな?と、思っています・・・今のところは
接着ボンドと目地材

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